脳画像セミナーセミナーレポート

この度は脳外臨床研究会セミナーレポートをご覧いただきありがとうございます!

脳外臨床研究会では、今年よりセミナー後の皆様の自己学習に対してセミナーレポートという形でセミナーの中でお伝えしたこと、

またアンケートなどで頂いた内容などを文章に起こして配信するといった取り組みを行っております。

受講生からも、レポートを通してセミナーの中で聞き逃していたことなどを改めて勉強できるといった嬉しい声も数多く頂いております!

今回はその中の一部ではありますが、地方での脳画像セミナー&歩行セミナーにご参加頂いた皆様にだけ、次回の小脳編の予習も含め、特別に配信させて頂く形となりました!

是非この機会に、去年のことなども振り返りながら学んで頂ければ幸いです!

セミナレポートの注意点
尚、セミナーレポートでお伝えする内容に関しては講師である山本秀一朗のフィルターを通して、臨床場面で実際に山本がどうその知識を臨床解釈をしたかをお伝えしている部分となりますので、一部書籍等に記載されている内容や、論文考察などとは違った視点から臨床応用しているような部分もあると思いので、その点に関してはご理解・ご了承いただければと思います。

なぜ現象からみるのか?

脳外臨床研究会では、原因追求がいかに大切かを、いつも冒頭でお伝えさせていただいています。

脳卒中患者様を評価する際のポイントとしては、『運動麻痺』『注意障害』『感覚障害』などの症状名から判断するのではなく、

『起こっている現象』から症状、そしてそれが引き起こされる原因である脳を考えることをお伝えしています。

例えば、被殻出血の患者様では

  • フットプレートをあげない
  • 急に立ち上がる
  • 左足を乗せたまま立ち上がる
  • 左足で足を下ろせない
  • 立ち上がれない
  • 立位保持ができない
  • 移乗ができない
  • 左上肢が動かない

といった様々な現象がありました。

では、上記現象の中から一例として「フットレストから足を降ろさずに、いきなり立ち上がろうとする」のはなぜだと思いますか?

よくこういう場面をみると運動学習?注意?高次脳機能障害?と、様々な症状名をつけ、解釈することがあると思います。

でもそれでは、結局何が問題で、何が根本的な原因なのかがわからないことはありませんか?

もしくは「運動学習も注意も悪いし、高次脳もあるしね〜」という話になって、結局どう治療したらいいのかがわからないことは多くあるのではないでしょうか?

日々の勉強で得た知識をなかなか臨床に活かせないという、もどかしい思いはありませんか?

それらを明確にするためにも、まずは起こっている現象をみて、なぜそれが起こるのか、そもそも脳のどこに障害があり、
その部位がどんな機能をもっているのかを、ぜひ把握していってほしいと思います!

なぜ脳画像が必要か?

ではここで、みなさんはなぜ臨床に脳画像が必要だだと思いますか?

 

その前に、例えば脳画像ではなく「骨折」であればどうでしょうか?

骨折しましたー!ってなります、

ではそれが「どれぐらいの程度」か知りたくないですか?

どの辺がどう折れてるのか」気になりませんか?

まず「画像」を見ませんか、、、?

 

しかし、脳卒中の場合は画像から見ている人が少ない印象があります。

良くも悪くも、画像を見なくても評価できてしまうんですね。

なぜなら学校で習った評価チャートは「症状名」をつけるチャートで

原因追求のためのものではないためだと考えています。

今でこそ脳画像に関するセミナーも多く開催されていたり、書籍も多く発売されていることからも脳画像が重要であることは周知の事実です。

なぜなら、脳画像をみるということは、私たちが治療対象としなければならない脳をみることに直結するからです。

 

脳卒中患者さんの問題は運動麻痺筋緊張異常高次脳機能障害など様々な目にみえる症状として現れます。

そして、それぞれの動作における問題点の中で、筋肉や関節などの身体機能を問題点の原因として捉え治療対象とすることが多いのですが、

実際障害を受けた部分はどこかと考えてみると、筋肉や関節ではなく、ずばり脳の障害ということになります。

ではここで、脳卒中の治療を考えるポイントとしては、

現象と障害名・原因は違うことです!

つまり、脳を知らずして脳卒中患者さんを治療することはできないし、そもそもの運動障害などは全てこの脳が引き起こした結果であるということです。

 

以上のことから私たちは脳を勉強する上で、以下の3つのポイントを大切にしています。

  • どこが障害されるかを知ること→脳画像を見れないといけない
  • 障害されているところの機能は→機能解剖を知る必要性がある
  • どうやって評価するのか→臨床にどう使うのかのブリッジング

 

つまり、臨床の中でそもそも脳がどのような働きをし、どの程度損傷があり、どんな回復過程を呈しているのか、この3つを考えながら治療していく必要があります。

なぜなら、エビデンスや文献だけでは判断することができない、目の前のリアルな患者像がでてくるからこそこの3つが重要なのです。

よく個別性という言葉を聞きますが、まずは障害を負った脳そのものをしっかりみながら、そこから臨床症状や治療解釈を進めることが、セラピストにとっては非常に重要になります。

以上のことから、脳画像とそこに関わる脳機能について理解することが重要となり、ここでは画像の見方や随意運動が起こるまでの脳機能について、もう一度考えもらいたいと思います。

 

では長くなりましたが、以下が次回の小脳編の予習となります!ぜひぜひみなさまの臨床にお役立てください!

運動に必要な小脳機能とは?

まずは『運動に関する小脳機能』を見ていきましょう!

運動を考えるにあたり、3つの脚がどんな役割をもっているのかを知ることが重要です。

この3つの小脳脚によって、ヒトは末梢からの情報をインプットとして受け取り、さらにアウトプットするために大脳皮質や脳幹などの各部位へ情報を投射し、

結果運動に関わる小脳のもつ「骨格筋をどのようにコントロールしているのか」をみていくことが大切です。

 

その際に小脳が骨格筋の何をコントロールするのかというと、大きく3つの要素を知ることが重要になってきます。

その3つの要素とは…

小脳における骨格筋のコントロール
  • どの筋肉を:組み合わせ(空間的秩序)
  • どの程度:出力(強さの配列)
  • いつ働かせるのか:タイミング(時間的秩序)

これらの、「骨格筋をコントロールすること」になります。

これによってヒトは関節運動を行う際にも、協調的に各関節を滑らかに動かすことが可能となります。

逆にこれが障害されたときに生じるのが、皆様がよく知る『失調症状』です。この失調症状とは協調性を失った状態として、手や足が揺れる、体がグラグラするといった問題が生じます。

しかし、ご存知の方も多いとは思いますが、この失調症状は「小脳が障害されたから必ず起きる」ということではないんですね。

では、どの部位が障害を受けると、この失調症状が出てくるのでしょうか?

そして失調症状に対して、小脳機能に対する知識をどう臨床場面で使っていけば良いのでしょうか?

次に、小脳そのもののがもつ3つの部位についてまとめていきましょう!

小脳部位と機能の関係

小脳には書籍などでも解剖学的な分類として名称がつけられているものや、機能学的に名称がつけられているものがあり、混乱することが多くありますが、ここでは機能学的な側面から小脳を3つの部位で分けて考えていきます。

その3つが以下の部分になります。

ちなみにこの3つの名称は、どことどこが繋がっているかを表したものです(前庭と小脳が繋がっている→前庭小脳)。

次に、それぞれの部位で働きが異なるため、それらについてもまとめていきます。

大脳小脳連関

大脳と小脳を結ぶ経路であり、小脳部位としては外側にある小脳皮質といわれる領域になります。

そしてこの小脳皮質と、大脳の中でも運動に関連する領域との連絡や認知部分に関わる大脳連合野との連結が重要となってきます。

まずは運動に関する領域ですが、運動出力(筋収縮を引き出すために)に必要な一次運動野や、前編でお伝えした運動前野からの情報が脳幹にある橋核を介して、中小脳脚を通る(インプット)ことで小脳皮質の半球に情報が伝達されます。

その中でも一次運動野からの情報は運動指令のコピーとして、筋収縮に関する情報(協調性)が送られます。

それに対して運動前野からは身体外部の運動方向(視覚誘導型)に関する情報が送られます。

そしてこれらが後述する小脳核である歯状核(特に四肢の運動情報)に入り(情報処理)、そこから上小脳脚を経て(アウトプット)視床を介して再び運動関連領野に戻るループを形成しています。

これによって、運動の中での骨格筋(特に四肢に関する)の細かい調整がされるのですが、その際に重要なのがこれらの情報を貯めておくための貯蔵庫が必要になります。

その際にこの貯蔵庫の役割を担うのが小脳核であり、その中でも四肢の運動に関与する領域として歯状核が重要な役割をもってくるのです。

その歯状核の機能によって情報が保有されることでの運動学習に繋がってくるのです。

つまり、我々が運動を行う際には、慣れた動作や学習された運動というのは、いちいち運動情報を小脳に送らずとも、
課題や動作に応じて適切な運動情報があらかじめ大脳皮質の運動領域へ伝達されることで、運動ができるということでフィードフォワードモデルや、
運動記憶をためるということで内部モデルというようにまとめられています。

つまり、この内部モデルが蓄えられなくなると、運動が毎回一定して定着せず、そして学習もされないため常に、ぎこちなさや失調症状といった現象が生じてくるのです。

もう一つここで知っておいてほしい重要な部分にこれらの運動情報が視床を介すということがあります。

つまり、視床出血の方などで運動失調が生じる場合も、実は小脳との経路によって運動情報が適切に大脳皮質へ送られないことによって失調が生じることがあるのです。

視床に関しては前回の運動プログラムとしてかかわる基底核からの情報や小脳からの情報、後述する認知機能に関連する高次脳機能にも幅広く関与する領域となりますが、
脳のネットワークを理解することで、治療の幅は確実に広がります。

是非そちらも合わせて受講してみてくださいね♪

脳画像セミナー視床編

一方認知学習に関しては、大脳皮質の頭頂連合野や前頭前野へ出力され、運動に対するイメージ、概念、思考や言語に関することの情報が伝達されることで、高次脳機能に関することへの影響を持つことが言われています。

最近では、小脳障害によって生じる小脳性認知情動症候群(CCAS)なども報告され、小脳機能と認知機能の関連性においても重要視されています。

脊髄小脳連関

脊髄と小脳を結ぶ経路であり、小脳の中でも虫部と半球中間部の領域となり、系統学的には前庭小脳より新しい領域とされています。

脊髄には感覚情報の入力して体性感覚情報や固有感覚情報が入力されます。

一般的にはこれら感覚情報は視床を介して大脳皮質の一次体性感覚や(3野)に伝達され、意識にのぼる感覚として情報処理されますが、一部はこれら感覚情報が小脳虫部へと伝達されていきます。

小脳虫部は頭部や近位体幹部からの感覚情報入力だけではなく、視覚や聴覚、前庭からの入力も受けます。

その際にこれらの情報は延髄にある下オリーブ核を介して、下小脳脚を通り小脳虫部へ伝達されます。

この経路を通って小脳に情報が入力されることで、前述した大脳小脳から降りてきて蓄えられている内部モデルと照合することが行われ、そこで初めて運動が正しかったのか、間違っていたのかを統合することによってフィードバックがかけられる仕組みとなっています。

そして、大脳小脳と同様にあがってきた情報に対して小脳核で情報保有を行うのですが、それを室頂核といい、そこから姿勢制御に関わる経路である網様体脊髄路や前庭脊髄路へ情報を投射することで、姿勢バランスや眼球運動などをコントロールしていきます。

つまりこの虫部(もしくは室頂核)が障害を受けることで、脳幹機能が働きにくくなってくるため、姿勢バランスや眼球運動を評価する際には脳幹機能と合わせて評価していくことが重要となってきます。

この姿勢バランスの制御や眼球運動に対する治療や考え方に関しては脳幹編でより詳しくお伝えしていきますので、そちらも合わせて受講して頂くことでより理解が深まります!

前庭小脳連関

前庭小脳は前庭器官からの情報が小脳の片葉小節葉へと伝達され、平衡感覚や眼球運動(眼振)などのコントロールに作用します。

前庭器官を考えていく上で、重要なのが耳にある体の傾き(垂直方向や水平方向)を感知する耳石器と、回転による加速度を感じる三半規管の大きく2つがあります。

この2つから入った体に対する傾きや回転などの情報は、脳幹にある前庭神経核へ投射されますが、その一部が小脳を介すことで抑制され、姿勢保持の際のバランス制御に関与していきます。

しかし、一部は直接脊髄へ下降(外側前庭脊髄路)することで、体幹や四肢の伸筋に反射的に作用することで、抗重力筋の伸展活動を高める働きがあります。

よく、姿勢が不安定なところに立ったり、つま先立ちなどの支持基底面が極端に狭くなった場合に、体全身の伸筋の活動が上昇するのはこのためです。

<脳画像セミナー脳幹編より抜粋>

すなわち姿勢やバランスに問題が生じるケースは、小脳機能を含めた前庭系に対する治療的介入が必要となり、特に重力に抗するために必要な抗重力筋に対する治療介入としては、こういった前庭系の直接的な刺激入力なども臨床上では非常に重要となります。

ちなみに、姿勢に関する要素としては歩行機能においてこの前庭系と小脳機能をいかに臨床応用できるかが重要となってくるため、それらに対しては歩行セミナーでもお伝えしていきます!

<歩行セミナー資料より抜粋>

歩行セミナー(地方でも開催中)はこちらから

脳画像から小脳を紐解く

さて、実際に小脳の各部位や核の機能が整理できたので、次はそれが脳画像上でどこにあるのか気になりますよね♪

ではではさっそく脳画像をみていきましょう!

小脳部位

まずは小脳を3つの領域に分けていきたいと思います。

小脳の部位
  • 大脳小脳:小脳半球
  • 脊髄小脳:小脳虫部、(中間部)
  • 前庭小脳:片葉小節葉

見分けるポイントは小脳前方にある(奥歯のような形をした脳幹の一番盛り上がっている領域)の端から垂線を小脳へ引っ張ります(図の点線)。

それで分けられるのが、小脳半球(青)小脳半球中間部(ピンク)の領域です。

小脳半球中間部と虫部は明確な境界線はないため、そこまで明確に分けなくても大丈夫ですが、半球側に出血や梗塞部位がある場合は大脳小脳を中心とした上肢の失調症状を、虫部・中間部に障害部位がある場合はバランスなどの姿勢保持に関する症状が出現することを把握しておいてください。

前庭小脳である片葉小節葉に関しては、上の脳画像の図でいくと緑の領域になります。

この際の脳画像と小脳の図を見る際のよくある注意点として、片葉小節葉は上下にあると間違えられることがありますが、それは小脳を展開している図としてみていて、実際は真ん中に集まっているため(下の図でみるとオレンジの領域で、左が横からみた図で右が小脳を開いた展開図)、橋がみえるスライスのより前方にあるとイメージしてください。

次に小脳核になります。

su_box title=”小脳の部位”]

  • 歯状核:運動野に投射
  • 室頂核:脳幹網様体、前庭神経核に投射
  • 中位核:赤核に投射(上肢に関連)
    [/su_box]

ここで重要なポイントは核の大きさになります。

ヒトでは上肢機能において細かな運動調節等が必要になるため歯状核が大きくなっていますが、魚類などは脊柱を動かして泳いだりするため、体幹機能に関わる室頂核が大きく発達しています。

このように運動情報に対する保有量などによっても核の発達が変化すること、それによって脳の活動部位の領域が変化することを理解しておいてください。

小脳症状を考える

上記では、小脳の機能や脳画像についてまとめていきましたが、これら小脳機能に障害がみられた場合、どのように小脳に対する知識を臨床に使っていきながら、実際の評価や治療をしていけば良いのでしょうか?

ここではセミナーの中でもお伝えした運動失調に対する評価と治療的要素から考えていきたいと思います。

その中で失調症状とは協調性を失った状態として見るべき要素は筋の状態を見るということになります。

すなわち、

小脳における骨格筋のコントロール
  • どの筋肉を:組み合わせ(空間的秩序)
  • どの程度:出力(強さの配列)
  • いつ働かせるのか:タイミング(時間的秩序)

この3つの要素を評価や治療としてみることが必要になってきます。

それでは細かくみていきましょう!

協調性運動障害

協調性運動障害に関しては特に上肢機能にその要素が強く起こりますが、まずは運動が起こるために必要な外部情報に対してどう運動を合わせていけるかを評価することが重要となります。

その際の外部情報とは、視覚情報に対してどのように感覚情報が処理され、結果どのように運動出力がされているかを評価していくことが必要になってきます。

その中でも特に運動前野と小脳半球である歯状核とのやり取りの中で、実際に運動に対して必要な骨格筋が収縮するタイミングがどのように変化するかを筋肉を直接触診し評価することで、実際の動作の中での筋自体の反応性をみていくことが重要です。

各筋を触診する際のポイントとしては、運動に対する主動作筋の働きだけを着目するのではなく、拮抗筋に対してもコントロールがされているかを評価することです。

なぜかというと、失調症状の患者さんの多くは骨格筋を働かすこと自体には問題がありません(これが障害され、骨格筋を動かせない障害は運動麻痺でしたね♪)。

しかし筋肉を収縮させる質的な要素としての調整として、筋を収縮・弛緩させるタイミングや各筋活動としての組み合わせに対しての問題が生じてきます。

つまり、関節運動に対して拮抗筋が予測的に協調してコントロールされているかをみていきながら、拮抗筋のコントロールが不良な場合は拮抗筋の固有感覚情報をいかに変えていくかが治療においては重要なポイントになります。

 

次に筋の組み合わせが悪い場合は、多関節運動時の各関節の協調的な活動が起こるかどうかを評価することが必要です。

どの関節運動の順序で起こりやすくなっているのか(例えば肩の運動が先行し、物に対して方向付けを行ってから肘で距離をとっているのか、もしくは肩自体がものに対しての距離を合わせることに使われているのかなど)、

その際に各関節がもつ機能(例えば下の図のようにリーチ動作であれば上肢の肩関節、肘関節、手関節といった)も合わせて評価する必要があります。

そう考えた場合に、臨床的に治療展開として行うのは、関節の自由度を変える(装具や運動課題の環境を変える)ことで、

どの部位のコントロールが変わってくるのか、どの部位がより制御が難しくなるのかなどを細かくみていくことで、どの関節部位の治療を行うかを選択していきます。

そして、それがフィードフォワード要素として問題なのか(ここが問題になれば運動学習としての反復した運動練習や運動プログラムとしての運動のやり方に対する治療が必要となり)、フィードバック要素としての問題なのか(これに対してはどのような感覚入力を行っていくか)を分けることが治療的には重要となってきます。

こういった細かい部分を評価するためにも、動作分析能力に対しては身につけていくことが重要となってくるのです。

姿勢・歩行制御能力の障害

次に、姿勢制御・歩行制御に関しては室頂核や脊髄小脳に関しての問題点を考慮する必要があります。

小脳機能で考えた場合に、情報の流れは上行性と下行性の大きく2つの経路によってコントロールされています。

上行性とは感覚入力に対して、どのように小脳が情報を受け取り、その情報に対してどのように筋緊張を制御するかをモニターするための要素(いわゆる固有感覚情報の入力)になります。

下行性とは脳幹網様体や前庭脊髄路を使ってどのように重力に対して姿勢をコントロールするのかという『立ち直り反応』『姿勢戦略(ストラテジー)』といわれる股関節、足関節、ステップ戦略といわれるような、どうやって重心を支持基底面から逸脱することなく、姿勢を保持できるかをコントロールする要素で、これらを静止立位や歩行場面で評価としてみていきながら、姿勢保持に必要な抗重力筋自体の筋の組み合わせ、タイミング、出力をみていきます。

その際に必要になってくるのが、姿勢保持に必要な筋活動(例えば股関節を伸展位に保つためには骨盤を直立させるための腸腰筋や多裂筋の活動、股関節の伸展保持に必要な大殿筋の筋緊張など)を知ることや、

姿勢コントロールをしながら歩くといった各歩行周期における歩行時の筋活動などをみていくことになるので、姿勢が崩れるということではなく、そういった姿勢保持に必要な筋の作用などを細かく評価・治療していくことが重要となってきます。

(歩行セミナー配布資料より)

そして、これが損なわれた時に失調患者さんの特徴でもあるワイドベースでの歩行酩酊歩行などに繋がるので、それらに対してどの筋のどういった活動を求めていくかに関して、評価していくことが歩行やバランス機能における治療の大原則となるのです。

その他、筋緊張や眼振、構音障害に対しては脳画像セミナーシリーズの各分野(脳幹編や大阪開催のコラボセミナー)で細かくお伝えしていきますが、そこには必ず小脳の要素も含まれているということ、その結果、筋のタイミング・組み合わせ・出力といった運動に対する筋自体を反応性をみることが、小脳患者さんにおける治療において最も重要なことになってくるのです!

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小脳機能のまとめ

小脳の機能に対してまずは大きく小脳を3つの部位に分け、それぞれの核の特徴についてまとめていきました。

そしてそれらを脳画像からどう見つけていくのか、そして、どういった経路でどこと連結していくのかを臨床の中では考えていく必要があります。

その中で、小脳機能の障害が運動出力である大脳皮質(一次運動野の活動)や脳幹網様体機能に影響を及ぼすことを理解した上で、どのように治療にどう紐づけていくのかついて今回は中心にまとめていきました。

その中で小脳そのものがやっている重要な要素としては、筋をどのように制御しているのかという、

小脳における骨格筋のコントロール
  • どの筋肉を:組み合わせ(空間的秩序)
  • どの程度:出力(強さの配列)
  • いつ働かせるのか:タイミング(時間的秩序)

この3つの部分が非常に重要な要素になってきます。

ではこの骨格筋をコントロールするための小脳はどの時期で、どうような刺激で反応するでしょうか?

骨格筋のコントロールは随意運動のみではなく、姿勢などに関するバランス機能などにどのように関わってくるのでしょうか?

これらを脳画像セミナー小脳編ではお伝えしたいと思います。

まずはしっかり動作を評価すること、そしてそれに対して小脳機能の知識を皆様がイメージしながら、実際の患者さんの筋肉を触診したり、動作分析・歩行分析などに繋げていくかが小脳に対する治療になってきます。

まずはそのためにも小脳機能についてもう一度このレポートなども使いながら整理し、是非日々の臨床にお役立てください!

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